学生服メーカーは倉敷市児島に多い!! 何故? 歴史は? 大手メーカーは?

 全国の数多くの男子中学生が学校の制服として着用している「詰襟学生服」
実際のところ、何処でどのように生産されているかご存知ですか?
「全然興味がない!」
と思っている方もいると思いますが、
ここでは
「子供の頃着ていた学生服」
「お子様が着ている学生服」
「これからお子様が着るであろう学生服」
が何処で生産されて、どんなメーカーがあるかご紹介したいと思います。

倉敷市児島発。全国シェア約7割

こ存じでしたか?
学生服の生産は岡山県倉敷市児島周辺で、岡山県が全国のシェアが約7割になります。
今では大小約30社の学生服メーカーがこの倉敷市児島周辺にあります。
ちなみに倉敷市児島はこのあたり・・・・

この付近で製造メーカーさんとその下請け、内職さんなど、地域一体となって学生服をつくっているのです。
ちなみにこの倉敷市児島は日本産ジーンズの発祥地としても有名で
街には「児島ジーンズストリート」というジーンズショップが並ぶ通りがあるそうです。
詳しくはこちら→「児島ジーンズストリート」

では、どのようにしてこの地域に学生服製造が根付いていったのでしょうか?

1918年児島で学生服の製造が始まる

学生服やジーンズなど繊維産業が盛んな児島。
晴れ国岡山。雨が少なく米作には向かなかったこの地域。
もともとこの地域の土壌が塩分を多く含んでおり、そのような土地でも栽培ができた綿花を原料をして織物業が発展してきました。
学生服自体は1918年以前からあったようですが、足袋(ゲートル)を製造していた実業家、角南周吉が学生服の生産を始めたそうです。
そして同じく「学生服の祖」とも呼ばれる家守善平の活躍により注文数が増え量産が始まり、四国や九州方面からの出稼ぎ労働者も集まり縫製工場が増えていったそうです。
もともと学生服は贅沢品で一部の富裕層しか普及していませんでしたが、児島で量産が始まり庶民にも普及し始め全国に広がっていったとされています。

家守善平

家守善平像(児島小川町・中山公園、小川幼稚園近く)

最盛期の出荷数は約1200万着!

そんな先人たちの活躍により学生服の生産を伸ばしていった児島。
児島のある岡山県の学生服出荷数は最盛期に約1222万着(1980年)あったそうです。
でも少子化がすすみ、ちょっと古いデータですが2014年には約590万着ぐらいにまで減少しました。
(岡山県調べ)

現在では各製造メーカーは効率化や多品種少量生産などで時代の流れに対応しています。

それでは現在、学生服メーカーはどんなところがあるでしょうか?
きっと聞いた会社、ブランドがあると思いますよ。

学生服メーカーと流通変化

現在、学生服メーカーには大手4社と中小の製造メーカーがあります。
そして最近では大手紳士服量販店などもオリジナル商品を販売しています。

大手4メーカー

菅公学生服株式会社

本社:岡山県岡山市北区駅元町
「カンコー学生服」の名称で有名ですよね。創業は1854年の老舗メーカーです。商品の種類も豊富です。学生服の生産は1923年から「菅公」という名称は学問の神様、「菅原道真」が由来なのは有名な話です。
現在、本社は岡山市内ですが、創業はやはり児島でした。
2013年に「尾崎商事株式会社」から現在の社名に変更しています。
ホームページ:https://kanko-gakuseifuku.co.jp/

株式会社トンボ

本社:岡山県岡山市北区厚生町
社名通りの「トンボ学生服」です。
創業は1876年で児島の隣、現在の岡山県玉野市にて足袋の製造から始まりました。
学生服の製造は1930年より開始。現在の本社は岡山市内にあります。
1988年、デビューした頃のSMAPをCMに起用しています。ユーチューブで「SMAP トンボ学生服」で検索すれば出てきますよ
ホームページ:http://www.tombow.gr.jp/

株式会社明石スクールユニフォームカンパニー

本社:岡山県倉敷市児島田の口
「富士ヨット学生服」といったほうがピンときますね。創業は1865年で小倉・真田帯地、
細紐類の製造業で「西屋」とう名称でした。現在も本社は児島にあります。
1932年から学生服製造の下請を始め、1934年から本格的に製造を開始しました。
詰襟学生服のブランド「富士ヨット」にはNano Wave、Classic、J-PROUD、D-STYLE、SERIES-Xなどがあります。
「富士ヨット」の名前の由来は日本一の山「富士山」と当時若者に人気だった海の乗り物「ヨット」を組み合わせたとか・・・・(公式facebookpageより)
ホームページ:http://www.akashi-suc.jp

瀧本株式会社

本社:大阪府東大阪市石切町
1925年創業のメーカーで大手4社の中で唯一大阪に本社を置く企業です。
基幹ブランドは「スクールタイガー」という名称で知られています。
ホームページ:http://www.takimoto.co.jp/

その他のメーカー

学生服の製造メーターは大手4社の他に倉敷市児島を中心として多数存在していますので調べてみました。
記載以外にも多々あると思いますが、調べた分だけ記載させていただきます。

日本被服株式会社

岡山県倉敷市児島下の町
ブランド:HELLO STUDENT ホームページ:http://www.nipponhifuku.jp/
スクールユニフォームのパイオニアメーカー。太陽櫻印 会社敷地内に児島学生服資料館を併設しています。

昭和被服総業株式会社

岡山市東区西大寺中
ブランド:ブイヨット学生服 ホームページ:http://www.showa-uni.co.jp/

オゴー産業株式会社

岡山県倉敷市児島田の口
ブランド:鳩サクラ学生服 ホームページ:http://www.ogo.jp/

小野藤株式会社

ブランド:look学生服 ホームページ:http://www.onoto.co.jp/

株式会社富士被服本店

ホームページ:http://fujihifukuhonten.hp.gogo.jp

株式会社ニシキ

ホームページ:https://www.nishiki.biz/

児島株式会社

ホームページ:http://www.kojima-gp.co.jp

矢部被服株式会社

ホームページ:http://www.yabe-hifuku.jp/

株式会社コーソ

ホームページ:http://www.k-koso.com/

株式会社ベンクーガー

ホームページ:http://bencougar.com/

株式会社松商

ブランド:BASECAMP,MASCROWS ホームページ:http://kk-matsusho.co.jp/

洲脇産業株式会社
株式会社荻野本店
ファイブ
松亀被服株式会社

流通の変化

さて、このように倉敷市児島にて多く生産されている学生服。どのように皆様の手元に届いているでしょうか?
制服ですので学校内でバラバラでは困ります。最近の高等学校はブレザーなど独自のデザインのものが主流になってます。
しかし、全国中学校の約7割では男子は詰襟学生服を採用しています。
その販売は学校より指定を受けている百貨店や地元小売店などでご購入いただけます。
入学時にご購入される場合、流れ的には、12月〜1月に地元小売店、百貨店などで採寸を行い。3月中旬頃に制服お渡し、4月入学式となります。
ただ、地元小売店や百貨店は上記の学生服メーカーの全てを扱っているわけではありませんので選択の幅は狭くなります。
でも、現在ではその流れにも変化が見られます。

少子化による生産数の減少

前項にも書きましたが、学生服の出荷数は全盛期の約半分になっています。少子化により学生数が減り、経営が難しくなった学生服メーカーも多く、廃業や合併などで数も減少しました。
そして、上記記載のメーカーさんにも独自のホームページがあるところも増えてきていますが、オンラインショップを開設し直接通販で学生服を販売するメーカーが増えてきました。
この業界は現在、生き残りをかけて様々な販売方法を模索している状態だといえます。
学校独自の制服は購入できる店舗が限られますが、詰襟学生服は全国的に規格がほぼ統一(標準型学生服)されていますので、学校の校則の範囲内でどこでもご購入いただけるのです。

標準型学生服とは

日本被服工業組合連合会の「標準型学生服認定基準」を満たし、認証された学生服は「標準型学生服」となり「認証マーク」 (※「標準マーク」と呼ばれることもある)が添付される。「標準型学生服」は略して「標準」、「標準型」、「標準服」といわれる。なお、この項では便宜上その呼称を『標準型学生服』または『標準型』に統一する。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

簡単にいえば、服装の乱れを防いだり、服装管理をし易くする意味合いで定められた規格とでもいいましょうか・・・・
全国の統一規格なんです。
規格に沿って生産された学生服にはこのマークがつきます。

詰襟学生服を採用している中学校のほとんどはこの規格に適した学生服を採用しているです。
ですから、校則によって必ずしも大丈夫とはいえませんが、何処で購入しても制服のカタチに大差はないということです。
※学校指定販売店以外でご購入される場合、事前に学校に確認される事をお勧めします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
学生服の歴史が少しでもおわかりいただけましたでしょうか?
時代の変化、少子化などにより学生服をとりまく環境や役割も変化してきています。青春時代の大半を一緒に過ごす学生服。あなたにピッタリなものを選んでいただく参考になれば幸いです。